【訪問時の品格ある立居振舞について】
装いが素晴らしくても品性に欠けてしまうと、素晴らしい装いさえも品がないように見える。今回は訪問した際の品格のある立居振舞について心得てみましょう。
来客の時に迎えと客のために出来た言葉が「上座」「下座」でございますが、和室では床の間がある所が上座、その反対の出入口(給仕口)がある所が下座となります。
訪問した際に上がるかどうか分からない(予約がない)時は、玄関前(ドアの外)で、もうこれ以上脱げない状態+1枚羽織っておき、「上がって下さい」と言われたなら1枚脱ぎます。予約がある場合は、玄関前で中に入ってから脱がなくていいような見繕いをしておきましょう。
和室にお通しされたならば、すぐに座布団に座るのではなく、訪問目的を伝えて挨拶すると同時に、手土産を渡してから座布団に座ります。手土産を渡す際、風呂敷、紙袋は同様に道中のチリよけであるので、中身を出して渡しましょう。また、風呂敷は小畳みにし、紙袋は二つ折りにし「ゴミ袋にでもお使い下さい」と空の紙袋を渡しておきます。紙袋に何か入れて返さなきゃいけないと相手にいらぬ気を遣わせてしまわないようにするためです。また、「つまらない物ですが」とか「多少ですが」「安物ですが」と言うへりくだりの言葉も美学とは言えないので、かえって嫌味に聞こえることもあり、口にするものは「お口に合いますかどうか」と言って、中身を言うことが大事です。冬でも暖房でチョコレートやシュークリームは溶けてしまいますし、おかき、お煎餅類を冷蔵庫に入れてしまわないためにも中身を必ず言いましょう。
また、飾り物は「お気に召しますかどうか分かりかねますが、塗り盆でございます」と言います。茶菓のもてなしを受ける場合、メニューを「何になさいますか」と聞かれて「温かいお茶」等と好みを言った場合は全て頂き、メニューを聞かれずに一方的に出されたお抹茶等は残してもかまいません。
お断りする時は、相手様を傷つけないように差し障りのない言葉で「先程たくさんお茶を飲んだところでございますので…」とか、コーヒーであれば「今日何杯も飲んでいますので…」等と言葉を添えましょう。
自分より先に先客がいらっしゃった場合、促されるまでは会釈で留めておき、自己紹介や名刺を出したりするのも避けます。また、先客より上座に行かないことも心得ておきましょう。
手土産は先客が持参なさったかを確認してから出しますが、食べ物であれば、相手側がお茶をお出し頂いた時、タイミングを外さないように、「お茶うけを皆様と一緒に頂きたいと存じまして…」と言って渡し、置物や飾り物は、「前に頼まれたことがある」とか「やっと探しだせましたので…」等と言って、先客の方に恥をかかせないようにしましょう。
装いだけではなく、お客様として見られているということを意識し、美しい姿勢と美しい立居振舞も心得たいものです。


