教会式の結婚式といえば、ご新婦様がお父様とバージンロードを歩くのは今では当たり前のセレモニーとなっています。
もともと日本に教会式の結婚式が入って来た時、ご新婦様とそのお父様がバージンロードを歩くという儀式も一緒に入ってきました。
それまでの日本の結婚式は、新郎新婦も金屏風の前で和装でしたから、お父様、お母様も紋付袴に黒留袖というのが正装でした。
ところが西洋式の教会での結婚式というスタイルが輸入され、新郎新婦も洋装に。
ご新婦様も憧れのウエディングドレスを着ることになりました。
となると、ご新婦様をエスコートしてバージンロードを一緒に歩くお父様が紋付袴では格好がつきません。
そこでお父様の衣装もウエディングドレスと共に洋装となり、モーニングコートを着られるようになりました。
そんなわけでお父様は先に洋装にチェンジとなったわけですが、お母様のほうはバージンロードを歩くようなセレモニーがなかったために、留袖姿のままお母様だけ取り残されてしまったのです。
長い間、モーニングに黒留袖という和洋折衷な衣装がご両親の正装となっていましたが、お母様にも光が当たる時代がやってきました!
それが「ベールダウン」のセレモニーです!
「ベールダウン」とは挙式前にフェイスベール(ウエディングベールの顔にかかる部分)をおろす儀式のこと。
ベールダウンは結婚式において母親が娘に対して行う最後の身支度です。
結婚式で用いるベールは清らかさの象徴であり、その起源はローマ時代の儀式にあるといわれています。
ご新婦様を送り出す母親は、邪悪なものから娘を守ってほしいという想いを込めてベールをおろすのです。
娘は母親に感謝するとともに、花嫁になる決意を新たにします。
ベールダウンを行う方法は大きく分けて2種類あります。入場の際に行う方法とブライズルームで行う方法です。(ブライズルームとは結婚式当日にご新婦様がメイクや身支度をするための専用の部屋のこと)
前者はゲストにも見えるので、演出の一つとしての役割もあります。結婚式のスタートに相応しい感動的な印象を与えられるでしょう。