ママズドレスで素晴らしいドレスを選べたとしても、お食事の頂き方に問題があると、品性が欠けてしまい、折角の美しい装いが半減してしまいます。よって、今回は和食での心得を勉強致したいと存じます。
前回までに立居振舞の心のゆとりをママズドレスのコラムにて勉強致しましたが、食べ方や指先に見せる心のゆとりも大切。
まずお箸の割り方、割り箸を横向きにし、先端を左手にし、横向きのまま扇子を広げるようにします。そうするとお箸のささくれが付くのを防ぐことが出来ます。
全ての器を引きずることなく浮かせることも大事な所作。更に、「手皿」といって料理を手で受けてしまいがちですが、これは“私は料理についた汁を落としながら食べています”という行為になりますので、避けたいものです。平皿(お刺身等)は手に持たずに置いたままで、平皿を除いては器を手で取ってよいでしょう。
魚料理が出た時に魚をひっくり返して食べると、自分の都合に合わせて食べる気持ちということになりますので、命を頂くものとしては適しません。
ご飯の上におかずを乗せて頂くのも、白ご飯をお皿代わりに使っているのと同じことになるので、こちらもまた関心は致しません。お米は粘り気が強いので、ついつい「ねぶり箸」といってお箸を舐めてしまいがちですが、汁物を最初に食べて、割り箸を湿らせておくことをお勧め致します。
あれもこれもタブーとしてしまうと美味しく頂きにくいと存じますが、自宅や一人で頂くのではなく同席している方から見れば装いも食事も美しさが大切。お膳の上も美しいということは、お互いに気持ちが良いということになります。人がいらっしゃる時には装いのドレスだけを気にかけるのではなく、和食のマナーも心得ておきましょう。
テーブルに肘をついたりするとだらしなく見えますので、背筋を伸ばして頂くのが当たり前なのですが、食事中のあくびやゲップ等はできるだけ避け、どうしても出そうになったらハンカチで口元を押さえましょう。
同席の方が食卓に物をこぼしたり、コップを倒してしまっても慌てることなく係員を呼ぶこととし、親切ぶったおせっかいもかえって失礼になりますので、どちらかというと知らないふりを装っているのが好ましいでしょう。
マナーは自分が知っているからといって、相手に恥をかかせたらマナー違反だということも心得ておきたいことでございます。